なぜ住居費を見直すべきなのか?
住居費(家賃や住宅ローン)は、家計の中でも最も大きな割合を占める固定費です。総務省の2023年の家計調査によると、**2人以上の世帯の消費支出のうち、住居費が占める割合は平均21%**にもなります。毎月の支払額が大きいからこそ、少しでも削減できれば、その効果は絶大です。
しかし、多くの人が「家賃は決まっているもの」「ローンは借りたまま」と諦めてしまいがちです。
今回は、賃貸・持ち家どちらの方にも役立つ、住居費を劇的に下げる具体的な方法を徹底的に解説します。
賃貸に住んでいる方へ
賃貸住宅は、家賃交渉や引っ越しで住居費を下げられる可能性があります。
1. 家賃交渉をする
「家賃交渉は無理だろう」と思っていませんか?実は、意外と交渉に応じてもらえるケースがあります。
- 交渉のタイミング: 更新時期の1〜2ヶ月前が最適です。大家さんや管理会社は、退去されて空室になることを避けたいと考えているからです。
- 交渉の材料:
- 周辺の家賃相場: 同じ条件の物件が、今借りている家賃よりも安く募集されていないか、不動産情報サイトで調べておきましょう。
- 長期間住んでいる実績: 「これまで滞納なく、長期間住んでいるので、これからも住み続けたい」と伝えることで、信頼関係をアピールできます。
- 伝え方: 「このままの家賃だと更新が難しいので、少し下げていただけないでしょうか」と丁寧に相談してみましょう。
2. より安い物件への引っ越しを検討する
もし家賃交渉が難しかったり、現在の家賃が相場よりも大幅に高かったりする場合は、思い切って引っ越しを検討するのも一つの手です。
- 物件の条件を見直す: 「駅から徒歩10分以内」や「築10年以内」など、譲れないと思っていた条件を少し緩めるだけで、家賃がぐっと安くなることがあります。
- フリーレント物件の活用: 「フリーレント」とは、入居後の一定期間(通常は1〜3ヶ月)の家賃が無料になる契約のことです。フリーレントのメリット:
- 初期費用を大幅に削減できる: 敷金・礼金に加え、入居月の家賃が無料になることで、引っ越しにかかる費用を大幅に抑えることができます。
- 家賃がかかる前に引っ越しができる: 家賃が発生する前に引っ越しを済ませられるため、二重家賃の負担を回避できます。注意点:
- 短期解約違約金: 多くのフリーレント物件には、一定期間(1〜2年など)住むことが条件として定められています。この期間内に解約すると、違約金が発生することがあるので、契約前に必ず確認しましょう。
- 共益費・管理費: フリーレント期間中も、共益費や管理費は通常通り発生するケースが多いので注意が必要です。
持ち家の方へ
持ち家の場合、住宅ローンの見直しが住居費削減の大きな鍵となります。
1. 住宅ローンの借り換えをする
住宅ローンの借り換えとは、現在のローンを完済し、別の金融機関で新たなローンを組むことです。
- 借り換えのメリット: 一般的に、借り換えによって毎月の返済額を大幅に減らせる可能性があります。例えば、住宅金融支援機構のデータによると、残高2,000万円、残期間20年、金利1.8%のローンを、金利0.8%に借り換えた場合、総返済額は約170万円も減らせる可能性があります。
- 借り換えのタイミング:
- 金利が低い時: 現在の金利よりも、借り換え先の金利が1%以上低い場合は、借り換えの効果が出やすいと言われています。
- 返済期間がまだ長い時: 返済期間が短いと、借り換えの効果が出にくいことがあります。
- 注意点: 借り換えには手数料や保証料などの費用がかかります。借り換えにかかる費用と、削減できる金額を比較して、本当にメリットがあるか事前にシミュレーションすることが重要です。
2. 繰り上げ返済をする
繰り上げ返済とは、月々の返済とは別に、まとまった金額を返済することです。
- 繰り上げ返済のメリット: 支払う利息の総額を減らせます。
- 種類:
- 期間短縮型: 毎月の返済額は変えずに、返済期間を短くします。
- 返済額軽減型: 返済期間は変えずに、毎月の返済額を減らします。
どちらのタイプもメリットがありますが、家計に余裕を持たせるなら「返済額軽減型」がおすすめです。

まとめ
住居費の見直しは、家計改善の最大のチャンスです。
- 賃貸の場合: 家賃交渉をするか、より安い物件への引っ越しを検討する。特にフリーレント物件を賢く活用することで、初期費用や二重家賃の負担を軽減できます。
- 持ち家の場合: 住宅ローンの借り換えや繰り上げ返済を検討する。
たったこれだけで、毎月の負担が大きく減り、浮いたお金を貯金や投資に回すことができます。まずはご自身の住居費を冷静に把握し、無理のない範囲で見直しを始めてみませんか?
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