近年、クマの出没エリアが人里にまで広がり、屋外活動における対策の重要性が高まっています。
山や森はもちろん、川沿いの散策路や里山でも、万が一クマと遭遇してしまった場合に命を守るための**「正しい行動」と「万全な装備」**を知っておくことが不可欠です。
このブログでは、環境省や専門家の情報に基づいた、安心・安全な屋外活動のためのクマ対策を「3つの鉄則」としてご紹介します。
鉄則1:クマに出会わないための「予防」対策
最も安全な対策は、クマと遭遇しないことです。自分の存在をクマに知らせ、「バッタリ遭遇」を防ぎましょう。
自分の存在を「音」で伝える(クマ鈴・ラジオ)
クマは聴覚が優れており、人間を避ける習性があります。静かに歩くことが一番危険です。
- クマ鈴の携行: 山歩きやハイキングでは必ずクマ鈴やラジオを携帯し、音を途切れさせずに歩きましょう。
- 複数人数での行動: 単独行動を避け、複数で行動し、会話をしながら歩くことも有効な手段です。
- 場所慣れに注意: 毎日通る道や、普段から人が多い場所でも油断せず、音で自分の存在を知らせ続けましょう。
クマの活動時間帯・場所に注意する
クマは特に早朝や夕暮れの時間帯に活発に行動します。
- 活動時間の調整: 日の出前や日没後の活動は極力控えましょう。
- 目撃情報に注意: 出かける前に自治体や現地の観光協会、警察などから最新のクマ目撃情報を入手し、危険な場所には近づかないようにしましょう。
- 死角を減らす: 見通しの悪い藪(やぶ)の中へは、山菜採りなどで不用意に入り込まないようにしましょう。
食物・ゴミの管理を徹底する
人間が出した食べ物の匂いは、クマを誘引する最大の原因です。
- 飲食物は密閉: 携行する食べ物は、匂いが漏れないようジップ付きの袋などで厳重に密閉しましょう。
- ゴミは必ず持ち帰る: 食べ残しや生ゴミ、空き缶などは、野外に絶対に放置せず、すべて持ち帰りましょう。

鉄則2:クマと遭遇した時の「正しい行動」
万が一クマと遭遇してしまったら、パニックにならず、冷静に以下の行動をとってください。
| クマとの距離 | 状況と正しい行動 | 絶対NG行動 |
| 遠くにいる場合 | クマがこちらに気づいていないことが多いです。落ち着いて静かに、ゆっくりとその場を立ち去りましょう。 | 急に大声を出す、走って逃げる。 |
| 近くで突発遭遇 | 立ち止まり、クマに背中を見せず、目を合わせすぎないように注意しながら、ゆっくりと後ずさりして距離をとります。 | 走る(追いかけてくる可能性大)、背中を向ける、大声で威嚇する。 |
| 威嚇突進が起きた場合 | クマが立ち止まることが多い**「威嚇突進(ブラフチャージ)」**の可能性があります。動かず、落ち着いてクマとの間に木などの遮蔽物を挟める位置に静かに移動しましょう。 | 転んでしまう。 |
| 攻撃を受けた場合 | 最終防御姿勢をとります。両腕で首と顔を覆い、地面に伏せて動かなくなります。頭部や首への致命的なダメージを避けることが最優先です。 | 抵抗する、立ち上がって逃げようとする。 |
⚠️特に重要な心得
- 走って逃げない: クマは逃げるものを追いかける本能があります。
- 荷物を置いて逃げない: クマが荷物の中の食物を食べると、「人を脅せば食べ物が手に入る」と学習し、人への接近をエスカレートさせる原因になります。
鉄則3:命を守るための「万全な装備」
山に入る際は、装備を「保険」と考え、必ず準備しましょう。
クマ撃退スプレー(カウンターアソールト)
クマ撃退スプレー(唐辛子成分であるカプサイシンを発射するスプレー)は、専門家も推奨する最終的な防御手段です。
- 携行場所: バッグの中に入れず、腰のベルトや胸元など、すぐに取り出して使える場所に携行しましょう。
- 使い方: クマが十分引き付けてから(約3~5メートル)、顔をめがけて噴射します。事前に使い方と風向きによる影響を確認しておきましょう。
- 購入支援: 自治体によっては、購入費用の一部を補助する制度を設けている場合があります。
価格:5500円~ |
クマ鈴・ホイッスル
自分の存在を知らせるためのツールです。
- クマ鈴: 存在を知らせるために常時鳴らします。
- ホイッスル: 突発的な遭遇時や、遠くへ助けを呼ぶために有効です。大声を出すよりも、ホイッスルの鋭い音の方がクマを驚かせ、周囲に異変を伝えるのに効果的です。
価格:2580円 |
価格:1200円 |
屋外でのクマ対策は、知識と準備がすべてです。これらの対策を参考に、安心で楽しいアウトドア活動をお過ごしください。

コメント